電子帳簿保存法【電子取引関係】システム対応する場合の注意点

こんにちは。システムエンジニア経験者の税理士 石川幸恵です。

令和6年1月1日以降に電子データでやり取りした請求書や領収書はデータのまま保存しなければなりません。これは、上場企業から個人事業者まで、ほぼすべての事業者が対象です。しかも、ただ保存してあれば良い、というわけではなく、保存方法に決まりがあります。国税庁が公表している資料「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」を中心に、どんな準備をすればよいか確認してみましょう。

今日は保存用のシステム導入をしたり、システム導入とまでは行かなくてもソフトウェアをインストールして使う場合について見てみましょう。

 

自社用にシステムを開発する場合

検索機能と改ざん防止措置について、電子帳簿保存法の規程に従ったものとする必要があります。電子計算機処理システムの概要を記載した書類の備え付けも必要です。

 

市販ソフトウェアの選び方

ソフトウェアの取扱説明書等で電子帳簿保存法の要件を満たしているか確認する(問57)のですが、誤りなく選定するためには、法律を読みこなせて、コンピュータシステムにも詳しくなければなりません。適用誤りをしたら最悪、青色申告取消という大きな責任も…。そんなスーパー人材はそうそういないと思いますので、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が確認(認証)したソフトウェアから選ぶことをお勧めします。

電子取引ソフト法的要件認証製品一覧

次のような認証ロゴがついているかどうかで判断することも可能です(問58)。

認証を受けたシステムはタイムスタンプ付与もしくは訂正削除の履歴を保存する機能を備えています(電子取引ソフト法的要件認証制度FAQのQ1)ので、「訂正削除の防止に関する事務処理規程の策定、運用、備付」の対応は必要ありません。

 

JIIMA認証にはお金がかかっているゾ

JIIMAの認証を受けるための審査料として、JIIMAの会員で32万円(税抜)、会員以外は40万円(税抜)かかっています。JIIMA認証のソフトウェアで無料というものもあるようですが、別途購入の必要があるシステムがあるか? や、保存できるデータ量は? など確認した方が良いと思われます。

 

フリーウェアやシェアウェアはどうでしょう?

そのフリーウェアやシェアウェアの機能を確認しましょう。もしかしたら、ファイルのリネームツールかもしれません。フリーウェアやシェアウェアでできること、規程の備付けなど運用でカバーすべきことを理解すれば使うことは可能です。ただし、動作や保存機能などに保証はないでしょうから、不具合などは自己責任ということになると思われます。