期首から半年の間に本店を移転したときの予定納税先

こんにちは。明日を見る税理士 石川です。

法人が税金の申告書を提出し、税金を納める先は大きく分けて3ヶ所。

  1. 税務署・・・法人税、地方法人税、消費税
  2. 都道府県税事務所・・・事業税、地方法人特別税(廃止予定)、特別法人事業税(創設予定)、法人都道府県民税
  3. 市町村役所・・・法人市町村民税

です。それぞれ本店の所在する場所を管轄する税務署、都道府県税事務所、市町村役所にお世話になります。

本店を移転したらどうなるでしょう?

ここでは本店を移転したとき予定納税はどうなるか? その中でも特に、都道府県税事務所と市町村役所の予定納税はどうなるか?をメインに解説します。

※このお話は、資本金が1,000万円以下程度、家族や数人の仲間で立ち上げた株式会社などで、本店のみで支店はない法人を前提にして書いています。

法人の予定納税とは

予定納税とは

予定納税というのは、事業年度の真ん中あたりであらかじめ納めておく税金のことです。事業年度開始の日以後6ヶ月を経過した日から2ヶ月以内に申告書を提出し、納税をします。

すべての法人が予定納税をしなければならないわけではありません。前事業年度の法人税の年税額が10万円を超えているときに納めます。

消費税の予定納税は全く別物なので、今回は割愛します。

予定納税はどこに納める?

税務署は、申告書を提出するときに本店のある場所を管轄する税務署に予定申告と納税をします。

都道府県と市町村は、事業年度開始の日から6ヶ月の間に事務所などがあった都道府県税事務所と市町村役所に予定申告・納税をします。
つまり、事業年度開始の日には本店があったけれども6ヶ月以内に引っ越してなくなったという場所にも予定申告と納税をします。ここが税務署と違います。

いくら納める?

前事業年度が12ヶ月であれば、前事業年度に納めた年税額の半分と考えて良いです。

都道府県に納める税金、市町村に納める税金について少し補足すると、
都道府県に納める税金、市町村に納める税金は

  1. 儲けに応じて納める部分・・・事業税の所得割、都道府県民税の法人税割、市町村民税の法人税割など
  2. 儲けと関係なく従業者数と資本金に応じて納める部分・・・均等割

に分かれています。予定納税は、1.、2.それぞれの半分を合計して納めます。

事業年度開始から半年以内に本店を移転したときはどこに予定申告するのかな?

税務署

移転先の本店所在地を所轄する税務署に予定申告と納税をします。

移転前の都道府県、市町村

予定申告、納税をする時点ですでに本店がなくなった都道府県、市町村であっても、本店があった期間分の納税をします。

①儲けに応じて納める部分

前事業年度の儲けに応じて納めた部分×事業年度開始の日から移転の日の前日までの月数/12ヶ月

を納めます。

②均等割

1年分の均等割×事業年度開始の日から移転の日の前日までの月数/12ヶ月

を納めます。

移転先の本店所在地の都道府県、市町村

①儲けに応じて納める部分

前事業年度中はまだ本店がなかったのですから、申告をしていません。そのため、移転先の本店所在地の都道府県、市町村に対して儲けに応じて納める部分の予定納税額はありません。

②均等割

1年分の均等割×移転日~事業年度開始から6ヶ月までの月数/12ヶ月

を納めます。

※均等割月数の数え方

月の途中で移転した場合、1ヶ月未満の端数は切り捨てします。ただし、切り捨てると0になってしまう場合は、1ヶ月とカウントします。

【応用】事業年度開始の日に新本店へ移転したとき

先にも書きましたように、都道府県と市町村は、事業年度開始の日から6ヶ月の間に事務所などを置いている都道府県税事務所と市町村役所に予定申告・納税をします。

そこで問題です。事業年度開始の日に新本店へ移転したとき、事業年度開始の日の管轄は移転前、移転後どちらなのでしょうか。移転日当日は旧本店、新本店いずれにも本店があったような気もしませんか?

答えは、移転した日以降が新本店、移転した日の前日までが旧本店となります。

したがって、新しい事業年度開始日以降、旧本店だった日は1日もなく、旧本店所在地の都道府県税事務所、市町村役所には予定申告・納税をしません。

新本店所在地の都道府県、市町村には、前事業年度末に確定申告をしていないため、予定申告、納税で、儲けに応じて納める部分はありません。6ヶ月分の均等割のみを納付することになります。

参考:法人税法第71条第1項、地方税法第53条、第72の26条、第321の8条