【軽減税率】パターン別 飲食店で店内飲食と持ち帰りの両方あったら何パーセント?

こんにちは。消費税にうるさい税理士 石川です。

あるオフィス街の飲食店では、ランチセットのコーヒーが紙のカップで提供され、店内に蓋が置いてあるそうです。席で飲んでいくも良し、蓋をしてオフィスや公園に持って行って飲むのもよし。

10月に軽減税率制度が始まります。店内飲食10%、持ち帰り8%となったら、このコーヒーはどんな扱いになるのでしょうか?
飲食店経営者の方はもちろん、喫茶店での打ち合わせやランチミーティングの多いフリーランサーやビジネスマンにもちょっと気になるところかと思います。

パターン1 食べきれなかった食事を一部パックに詰めてもらった場合

評判の料理を食べてみたくて、つい注文しすぎてしまった。残すのも申し訳ないし、何よりも後でまた食べたい。
お店の人にお願いすると、生ものでない限り、快くパックに詰めてくれますよね。しかもきれいに。
このようなときは、持ち帰る分も含めて店内で食べることを目的としていましたので、会計時、消費税は標準税率の10%となります。

パターン2 お土産にテイクアウトも追加で注文した場合

話題のお店でランチミーティングをしたら、デザートが想像以上に美味しかった。これはオフィスのみんなにも食べてほしい!と思って、デザートを別で箱詰めしてもらった。
これは、食事自体は標準税率10%ですが、持ち帰る分は別の取引になるので、軽減税率8%となります。

パターン3 テイクアウトがメインだけれども、小腹が空いたので、一品だけ店内で食べた場合

オフィスでのミーティングのための茶菓子としてドーナツを買いに行った。小腹が空いたので、店内飲食用のテーブルで1個だけ食べた。
これは、持ち帰りがメインなので、全体が軽減税率8%となります。

この行動を見た店員さんや他のお客さんとしては複雑かもしれません。が、「持ち帰りって言いましたよね?差額の2%分払ってください」と追いかける必要はありません。販売時点で「持ち帰り」と言ったら、お客さんの気が変わっても修正する必要はないからです。

メインとなる目的をもとに判断する

飲食店での判定は、提供時点でのメインの目的をもとに判断すればよいです。
もう一つ、飲食店での適用税率を判断する基準として、セットかセットでないか、というものがあります。セットなら、全体が軽減税率8%か標準税率10%かで判断し、セットでなく単体の集まりの販売ならそれぞれがどの税率かで判断します。

冒頭のランチセットは、コーヒーまで含まれたセットですので、コーヒーを席で飲まなくても全体が標準税率の10%となります。
もしこの飲食店のランチにはコーヒーが含まれておらず、ランチの会計時に「持ち帰り用にコーヒー1杯ちょうだい」と追加したら、セットではないので、ランチは標準税率10%、コーヒーは軽減税率8%となると考えられます。

※週刊税務通信 No.3544、国税庁 軽減税率Q&Aを参考にしました。