お気に入りのパンプスが売り場から消えた-ingのラインアップに変化?-

ここ10年ほど、ingというブランドの、とあるデザインのパンプスを履きつぶしては買い替えてきた。2019年に#Kutoo運動があったようにヒールのある靴に対して否定的な見方もあるようだが、パンプスが悪者なわけではない。私のお気に入りのingのパンプスは苦痛とは無縁。幅3E、ヒールの高さ5cm、太いヒールでとても歩きやすい。足の露出具合もちょうどよく、リボンのデザインが洒落ている。そのうえ、足にしっくり嵌っておろしたてでもバンドエイドいらず。ずっと買い続けようと思っていた。

買うのはいつも東武百貨店。東武カードの優待期間に買えば、何割か値引してもらえるのでさらにありがたい。しかし、1年ほど前、東武百貨店の棚から消えた。店員さんに聞いたが「棚になければ、ないですね」との返事。セール期間中に、陳列されていない商品について尋ねたのがわがままだったかな、と思い、何も買わずに帰った。

その後、別のパンプス(やはりing)と交互に履いたり、新型コロナウイルスによる外出減もあり、パンプスの傷み具合に目をつぶってきたが、やはり限界に達し、ネットで探すことにした。

まずロコンド。同じデザインはすぐに見つけられたが、大きいサイズか小さいサイズしかない。楽天にもアマゾンにもない。ちなみに楽天は行きつくところはロコンドだったので、結果は同じで当然。

これは売り場に行くしかない。改めて東武百貨店に出かけた。

運良くか悪くか、またも東武カードの優待期間。やはり、ない。それどころか、ingの棚にはカジュアルなものと、就活っぽいプレーンパンプスしかない。棚も心なしか狭くなったように感じる。

優待期間に特定の商品について店員さんに聞くのもなあと躊躇しつつも、パンプスがないのはどうにも困る。勇気を出して店員さんに聞いてみた。

今回はとても親切に対応してもらえた。バックヤードに在庫がないか、他の店舗にないか、などいろいろ確認してくれた。そして、このパンプスはもう生産されていないので、世に出回っているもののみということがわかった。

ということはロコンドにあった21.5cmと25cmが全て、というのがほぼ正解。

店員さんは、似たようなデザインがないか、と設計図みたいな専門的なカタログを見てくださったが、「うーん・・・」とのこと。がっかりして、何も買わず帰路についた。

一体何がおきているのやら・・・。帰りの電車の中でググってみたところ、

  • ingは株式会社オギツという会社のブランドの一つであること
  • 株式会社オギツは2017年にラオックスに買収されたこと

がわかった。ラオックスと言えば、中国資本。もはや家電量販店ではなく免税店。しかも中国への販路拡大路線まっしぐら、というイメージである。ingの商品が中国の消費者に人気のありそうなラインアップに向かうことが容易に想像できる。そのうえ、#KuToo運動と新型コロナによる外出自粛。東武百貨店の店員さんは「人気のデザインなので、来期は復活するかも」と言っていたが、復活の要素は一つもない。

同じパンプスが手に入る可能性はなくなったうえ、株式会社オギツの作る靴自体がどうなるかわからない。在庫があるうちに、と、ロコンドでingの別のデザインのパンプスと、株式会社オギツの別ブランドPittiのパンプスを買った。先ほど届いたので試着した。「同じ会社であれば、木型も同じようなものであろう」との想像で買ったが、やはりぴったり。これで私自身のパンプス問題はしばらく解決。

今後ingのラインアップがどのような方向に向かうのか、株式会社オギツ自体どうなっていくのか、秘かに注目していきたい。