【キャッシュレス決済のポイント還元】ウチの事業もポイント還元の対象?

こんにちは。消費税にうるさい税理士 石川です。

消費税率のアップは若干ブレも見え始めましたね。でも、「キャッシュレス決済のポイント還元事業」については準備が淡々と進んでいます。

消費税率アップに伴っての景気対策、ついでにキャッシュレス決済も普及させたい。どっちが本命だかよくわからない施策ですが。

「キャッシュレス決済、これを機にやった方が良いの?」とまだ迷っている事業者の方もいらっしゃると思います。

「じゃ、やってみようか?」と腰を上げたときに生ずると思われる疑問をまとめてみました。

そもそもポイント還元は誰が得するの?

消費者

クレジットカードや電子マネーなどを使った場合、買い物をした金額の5%(フランチャイズチェーンで買い物をした場合は2%)のポイントが付きます。

消費者に商品を販売したり、サービスを提供する事業者

①キャッシュレス決済を新たに導入する場合の費用

キャッシュレス決済端末本体のほか、プリンタなどの付属機器、システム利用料、タブレットなど導入に必要な機器の購入費用が不要となります。

②加盟店手数料

キャッシュレス決済を使うと、振込時には売上金額の何パーセントかが差し引かれます。これを加盟店手数料といって、キャッシュレス決済を導入するときのネックになっていますよね。
その率が2019年10月~2020年6月の間は3.25%以下となります。

すでにキャッシュレス決済を導入している事業者さんも恩恵を受けられます。消費者に対して5%還元できますし、加盟店手数料も3.25%以下となります。

うちの事業もポイント還元対象?ポイント還元の対象外の商品やサービスはある?

ポイント還元の対象となるかならないかの判定基準は次の二つ。

・小売店や飲食店など実際に消費者に商品やサービスを提供する事業者の規模
・商品やサービスの内容

です。

事業者の規模

中小企業基本法でいうところの中小企業に当てはまるかどうか、です。

例えば小売店なら、資本金5,000万円以下従業員50人以下を中小・小規模事業者といいます。
飲食店はサービス業として判断するのですが、資本金5,000万円以下従業員100人以下。

どうです?まちの小売店、飲食店当てはまりますよね。

製造業その他は資本金が3億円以下従業員が300人以下です。家族経営の製造業、建設業、全部当てはまると思います。
(ただし、大企業の子会社などは除かれます)

商品やサービスの内容

対象外の取引はごく一部。
・風俗など、公的な資金の使い道として不適切と考えられる事業
・住宅や自動車など、ほかに税制上の優遇措置が取られるもの
・商品券やプリペイドカードなど、購入時に消費税が掛からず、かつ換金性が高いものの購入
・宝くじなど公営ギャンブル
・医療機関など
・収納代行サービス

上記以外は、ポイント還元の対象となりそうです。

クレジットカードの決済端末は、持ち歩きできるものもあり、「キャッシュレス決済はレジで行うもの」とは限りません。小売店が販売する商品や飲食店での食事代は当然のこと、中小事業者が営む次のような事業はポイント還元の対象となり得ます。

・学習塾や習いごと、個人レッスンなど
・プロパンガスの代金を集金人が家に集金に行く場合
・ガソリンスタンド(大規模事業者は対象外。中小規模事業者は2%)
・家の修繕や工事

さらに、支払者が法人か個人かは関係ないようです。
法人カードで決済しても対象です。ただ、法人カードでもオッケーってどうなんでしょう?最終的に変わるかも、と個人的に思います。

私のような税理士業でも「クレジットカード支払いやりませんか?」と声を掛けられています。士業もポイント還元の対象になると思われます。

決済事業者を通して登録が必要

キャッシュレス決済のポイント還元に乗っかりたい(!?)という小売店、飲食店その他の事業者の方は、何もしないで10月を待てば良いわけではありません。
5月中旬以降から登録が開始されます。この登録は、キャッシュレスを提供している決済事業者(https://cashless.go.jp/franchise/index.htmlに掲載されています)を通して行います。

現在、使っている決済手段で参加したい場合は、契約している決済事業者が上記のリストに入っているかを確認して、そのリストの電話番号に連絡してください。
新しく導入したい場合も、やはりリストの電話番号に連絡しましょう。

こちらから連絡するまでもなく、おそらく今頃、決済事業者から営業電話が掛かってきたり、訪問営業が来たりしていることと思います。その事業者で決めるかどうかは次のような点を確認すると良いですね。
・上記の決済事業者リストに入っているか?
・扱えるクレジットカードや電子マネーの種類が豊富かどうか?
・期間終了後、加盟店手数料が3.25%に据え置かれるのか?上がるのか?

2019年10月のポイント還元開始からすぐに始めたい場合は、遅くとも2019年8月末までに決済事業者に連絡しましょう。
様子見したいという方、登録の期間は2020年4月下旬まで受け付けるようですので、実際にポイント還元が始まってからでも登録はできそうです。

キャッシュレス決済の注意点

キャッシュレス決済では加盟店手数料がかかりますので、今回の事業に乗っかっても3.25%が売上金額から差し引かれます。
というわけでどうしても手取りが少なくなります。

が、お客さんに「クレジットカードを使う場合には、手数料として○%上乗せします」という請求をしたり、「クレジットカードの使用は5,000円以上のみ」など制限をかけてはいけません。
現金支払いをする場合もキャッシュレス決済をする場合もお客さんの支払額は同じにしなければいけないので、注意しましょう。

まとめ

以上、総合的に考えていかがでしょうか?

政治家などが、キャッシュレス決済を推し進めようとしている発言を聞くと、私はETCカードを連想します。ハイウェイカードの廃止、土日祝は上限1,000円というキャンペーン、車載器購入の助成などもあり、今では利用率90%以上のようです。

キャッシュレスも政策的にやろうとしていますよね。

この機会にキャッシュレスを始めるのも良いのではないかな?と個人的に思います。

※ポイント還元につきましては、後日公開とされている情報もあり、Q&Aも今後出そろってくると思われます。
記事の内容を予告なく変更することがありますので、ご了承ください。