私と読書

こんにちは。明日を見る税理士 石川です。

新型コロナウイルス対策のため、不要不急の外出自粛が呼びかけられている今週末。

いや、今週に限らずこの1ヶ月は、税務署や市役所での税務支援がなくなったり、受講予定だった研修がなくなったりと家で過ごす時間が増えました。

そんな中、「せっかくの機会だから本を読もう」と思い立って、今、3冊目です。

実は、私は読書に対して少し葛藤を抱えています。本を選ぶときに躊躇することもあります。
読書との付き合いを振り返りながらまとめてみました。誰得?な話ですが。

 

好きなものだけ読んでいた中学生時代

中学生時代は、コバルト文庫が大好きでした。特に、氷室冴子と藤本ひとみに激はまり。

氷室冴子さんの「ジャパネスクシリーズ」は番外編まで、覚えるくらい読みました。なんて素敵にジャパネスク2の吉野の君には泣きましたねえ。

藤本ひとみさんの「マリナシリーズ」と「花織高校シリーズ」も多分ほとんど読んだと思います。

教材で、国語便覧ってありましたよね? あの中には、文学作品の著者と出だしやあらすじが書いてありました。短編だと全文が載っていることも。国語便覧のおかげで、中学レベルで知っておくべき文学作品はある程度知っているものと思っていました。これは高校に入って思い上がりだったと打ち砕かれる…。

 

高校生で読書が嫌いになる

自分の教養レベルよりも高い高校に行ってしまったようで、課題図書や周りとの読書歴の差で苦労しました。

受験って、どんな本を読んできたか、よりも、受験対策勉強をどれだけしたか、で突破できてしまいますからね。

1年生の時の夏休みの課題図書にどうしても面白みを感じず、面白くない本ってあるんだととてもショックを受けました。本が面白くないのではなく、読解力がついていかないのですけどね。とにかく、2ページ読めず、眠くなる…。

感想文を書かなければならないので、夏休みの後半に無理やりページを進めて、興味を持てなかったというような感想文を出したような…。

恥ずかしいので、なんという本か明らかにするのは少し躊躇しましたが、敢えて書きます。

加藤周一の「羊の歌-わが回想-」です。「東大入って俺ってすごい」っていう自画自賛しか感じなかったような…。本当は名作と言われていますよね。読み直すべきか、そっと蓋をしておくべきか、今でも悩んでいます。

この本を読破できなかったことでかなり読書が嫌いになり、遠ざけてしまいました。高尚な本が読めなくても自分が興味を持てる本を読み続けるべきだったとちょっと後悔。

もう一つショックだったのが、2年生のときの国語の授業。
先生が「本のイントロクイズ」をよくやってくれました。中学の頃の国語便覧で、名作はある程度知っているつもりでしたが、同級生の方がはるか上のレベルでした。同級生たちが中学生のころから川端康成など文学作品を当然のように読んできたのを知って、それもまたかなりショックでした。

つくづく、自分のレベルにあった高校に進学すべきですね。

大人になってから

たまに大作を読みだすこともある

小説の主人公になりきることはできるので、小説はなんとか読み切ることができます。ただし入り込みすぎて、疲れてしまう。

大学生の頃に読んだ記憶があるのは、山崎豊子さんの「大地の子」、「不毛地帯」、「二つの祖国」とか、田辺聖子さんの新源氏物語などですかね。

桃尻語訳 枕草子だったと思いますが、清少納言の現代語訳も読みました。定子様亡き後の清少納言がとても切なく感じました。

氷室冴子さんのジャパネスクシリーズの思い出を強烈に引きずっているので、平安時代ものを読むのは大好きですね。

「本は人生を豊かにするから読書をしよう」みたいなことを聞きますが、つい、仕事で一目置かれたいという自意識過剰から専門書っぽい本やハウツー本、難しめの本を選んで、積読にしてしまうことが多いです。

ドラッカーやアドラーのように、流行になって入門本がたくさん出ると、入門本ばかりを何冊か読んで、満足したり(結局、入り口で終わっている)。

専門書っぽい本だと、「必要なときに必要な部分を読めば良い」という扱いでも良いのですが、小説やノンフィクションの本だと、読めなくてまた本を遠ざけるきっかけになったらいやだな、と本選びに慎重になることもあります。アマゾンレビューの低評価を気にしすぎて買わないことも。

豊かな人生とか、一目置かれる知識とか、読書に結果を求めすぎているのかもしれません。

写真の本は、今回のコロナウイルス騒動の中、自意識とか割と無視で純粋に興味を惹かれて手に取った本です。ミシェル・オバマの自伝「マイ・ストーリー」と「ケーキの切れない非行少年たち」を読み終わり、今は「僕はイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでいます。興味の赴くままに選んだのですが、多様性、自己評価などのキーワードで結構つながっているように感じます。

外出自粛の中、しばらく楽しもうと思います。

現実には、仕事関係のブログをコツコツアップしている方や、ジョギングに励んでいる方のSNSに動揺したりすることも多く、読書に時間を費やす、というのも、結構、意志の力が必要です。