国税庁の軽減税率Q&Aを見てみよう その3

こんにちは。消費税にうるさい税理士 石川です。

軽減税率スタートまであと1カ月半。

オロナミンCとレッドブルを買いました。清涼飲料水なので、どちらも消費税率は軽減税率8%です。
リポビタンDを買いました。医薬部外品なので、消費税率は標準税率10%となります。
これは、国税庁の軽減税率Q&Aが発表された当初(平成28年4月)から載っています。

会社の経費で買ったら、オロナミンCとリポビタンDは区別しないといけないのですよ。細かいですね~。

では、令和元年7月改訂分の続きを見ていきましょう。

販売奨励金はどのような取り扱い?

【関係する人】飲食料品の小売、仲卸、卸売、メーカーなど、販売奨励金をもらったり払ったりする事業者
【注意点】経理処理時

販売奨励金というと、かつて、携帯電話の販売店に対して通信事業者が支払ったものが有名です。携帯電話本体を0円や1円で売ることができたのは、この販売奨励金を充てていたからなのですね。

ここで質問に上がっている販売奨励金は、購入した数量や金額に応じて、販売した側が購入した側にお金を払う(戻すに近い)ものです。
イメージは「たくさん買ってくれてありがとう。お礼に少し代金を返すね」です。ですから、消費税率は、もともと売り買いした商品が飲食料品かどうかで、判断します。飲食料品を売り買いして販売奨励金をやり取りしたら消費税率は8%です。

ちなみに名目が販売奨励金であっても、購入数量や金額に応じて払うものではなく、販路拡大の努力などに対して支払う場合には、サービスの対価の扱いとなります。消費税は、扱っている商品が飲食料品かどうかには関係なく標準税率10%となります。
契約書などにより、何の支払なのか、はっきりさせておくことが必要です。

自動販売機を置かせることで受け取る手数料

【関係する人】事務所や工場、店先に自動販売機を置いている事業者
【注意ポイント】手数料の経理処理

どこでも見かける自動販売機。業者さんが設置して、定期的に飲み物補充していますよね。あれは、設置した業者さんが、場所と電気を提供している会社又は人に自販機の販売数量に応じて手数料を払っています。
飲み物や食べ物を売っていますが、この手数料は設置に対して払われるものなので、消費税率は標準税率10%となります。

スーパーの物流センターの使用料を納入業者さんが支払った場合

【関係する人】食品卸売業
【注意ポイント】物流センターの使用料がある場合の経理処理

かなり限定された業種の方へのお話です。
食品卸売業さんは、スーパーマーケットの物流センターに食品を納品する際に、販売数量や販売高に応じて、物流センターの使用料を払うことがあるそうです。

卸売業者さんは販売した食品の代金をスーパーからもらい、センターの使用料は逆に払うことになります。対価の一部を返しているようなことになりますが、物流センターの使用料は飲食料品の販売ではないので、消費税率は標準税率10%となります。食品の販売代金は当然、軽減税率8%です。

今日のまとめ

今日も結構、一部の事業者に限られたお話が続きました。
次回は消費者も気になる屋台の消費税率が出てきます。