ビックカメラのAirレジサービスカウンターで説明を聞いてきてわかったこと

こんにちは。消費税にうるさい税理士 石川です。

平成31年10月1日から、軽減税率制度が始まります。
飲食店さんは、持ち帰りや出前は消費税率8%、店内飲食は10%と、区別しなければいけません。

テンキーしかない昔ながらのレジスターでも、一日の売上合計がいくらか、くらいの集計はできます。でも、8%の消費税率の売上合計がいくらか、10%の消費税率の売上合計がいくらか、そのレジではわからないです。

そこで、レジの買い替えが必要となるわけです。
先日、飲食店を経営しているクライアントさんと一緒にビックカメラのAirレジサービスカウンターに行って、説明を聞いて来ました。

Airレジをおすすめした理由

私の考えるAirレジの良いところは以下の三つです。
・プリンタやキャッシュドロアなどの周辺機器が安い。
・ランニングコストがなく、周辺機器をそろえるだけでよい。
・私の事務所の基本システムがTKCなので、Airレジとデータ連携ができる

Airレジのホームページを見ながら、Airレジがどんなに良いか、パワーポイントで資料を作り、飲食店オーナーのクライアントさんにプレゼンしました。ちなみに、Airレジの会社(リクルート社です)からお金はもらってませんよ。

ビックカメラのAirレジサービスカウンターへ行かなければデモを見られない

私のプレゼン資料は、
初期費用=iPad37,800円+キャッシュドロア7,980円+レシートプリンタ36,900円の合計82.680円
これに対し、軽減税率対象補助金でiPadの半額と、ドロア、プリンタの2/3が補助されて48,820円が戻る、というものでした。
「差引で、初期費用33,860円なら、安いでしょ?」と一生懸命プレゼンしたのです。
くどいですが、Airレジの会社からキャッシュバックとかありませんよ。

リクルート社がAirレジを安く提供できる理由の一つとして、出張デモンストレーションがないことが考えられます。こちらからビックカメラのAirレジサービスカウンターへ出向かなければなりません。その他の理由としては、レジから収集できるデータそのものに価値を見出しているということでしょう。

どこのビックカメラにもサービスカウンターがある、というわけではなく、この辺りからですと一番近くて新宿東口店。
クライアントさんに「一緒に見に行きましょうよ~」とお誘いすること数か月。
飲食店の経営は店休日がせいぜい週に一日。店休日もクライアントさん自ら仕込みをしたりしています。飲食店の経営はとにかく忙しい。軽減税率が一年後に迫り、ようやく現実味を帯びてきた先月、行ってきました。

初耳その1 ホームページからはわからない金額体系

早速、価格の桁が違うことに驚きました。
ホームページには全く記載のなかった「保守サポートオプション」を付けるのが当然、という体系になっていたのです。iPadと、レシートプリンター・キャッシュドロアーが一体になったもの+保守サポートオプションで213,590円(税抜き)。

保守サポートオプションには軽減税率対象補助金が使えない。

補助金は機器だけなので、補助金を使っても初期費用161,495円(税抜き)になってしまうのだそうです。

ランニングコストがないのは嘘ではないけれども、結局、導入当初に払うか毎月払うかの違いでした。
保守の期間が終了したら保守サポート料の追加支払いはないけれども、そのころは買い替え時期。新しい機器を買って、また保守サポートオプションを払うことになる…。クライアントさんは「保守は必要だから、ま、当然だよねえ」と納得気味だったのが救いでした。

「確定申告はご自分で?弥生会計オンラインもありますよ」ってこちらはTKCを使っている税理士がついているんですってば。

軽減税率対象補助金の申請も代行はしてくれないそうです。申請の用紙はくれるけれども。

初耳その2 税率を打ち分ける機能は、まだ、ない(できることは確か)

サービスカウンターでデモを見せてもらいましたが、税率の区別の仕方の話が出てきません。軽減税率対象補助金が使えるレジはそこが肝のはずなのに。
「どこで分けるのですか?」と聞いたところ、「まだ未定」とのこと。
軽減税率対象補助金を使えるレジなので、実装することは確かとのことですが、どこでどう対応するのかまだ未定なのだそうです。

インターネットとつながっているので、新しい機能はアプリの更新で、すぐ使えるようになる、というのもAirレジをはじめ、いまどきのPOSレジの特長。アプリを更新することで、2種類の税率に対応する機能を乗せるそうです。
とはいえ、現段階で、税率の打ち分け方がまだ決まっていないとは驚きでした。

ちなみに、アプリが更新されていく、というのはクライアントさんが考えるデメリットです。
パートさんに高齢者が多く、そもそも会計時に、iPadでメニューを探せるかも不安なのに、更新されていったらわからなくなってしまうのでは?と心配しています。

初耳その3 スマホまたはiPhoneをハンディターミナルとして使える機能はまだこれから

スマホやiPhoneをハンディターミナルとして使う「AirREGIハンディ」はホームページに確かに載っています。
私もクライアントさんに、「専用の機械を買わなくてもiPhoneがハンディターミナルになるから便利」とアピールしたのですが、なんと、まだ準備段階だそうです。

ホームページも良く見れば、「Airレジハンディは有料(予定)です」って…。予定に()がついているので、いずれ有料になりますよ、という意味かと思っていましたが、機能そのものが予定ってことか~。

がっかりも多かったけれども、やっぱりおすすめ

「軽減税率対象補助金の対象のレジです」と、たくさんのレジ屋さん(という言い方が適切かわかりませんが)が飲食店さんに営業をかけています。
正直、飲食店のみなさん、補助金対象のレジに結構お金かけてます。初期費用60万円+ランニングコスト毎月1万円とか、2店舗でレジ入れかえて100万円以上とか。
Airレジは、サービスカウンターでいろいろ驚かされたものの、価格体系は比較的明瞭で、リーズナブルな部類に入ると思います。

クライアントさんが気に入ってくれたポイントが二つありました。
一つ目は、POSレジなので、売れ筋の分析ができるところです。勘だとなかなかできなかったメニューの絞り込みも、データに基づけば決められるでしょうし、メニューを絞り込めば、在庫のコストも減らせますからね。

二つ目は、クレジットカードや交通系電子マネーの対応もカードリーダー代無料で始められること。景気対策として、クレジットカードのポイント還元とか言っていますから、クレジットカード対応、必要になってきますね。

ただし、クライアントさんは、冷凍庫や冷蔵庫が猛暑疲れで壊れてしまい、そちらにお金が回ってしまったので、レジ入替は保留中です。

Airレジに替わったら、私も売り上げの分析、手伝ってみたいですね。